商品紹介 「出光アッシュフリー」の何が良いか?という話

2023-12-11

「出光アッシュフリー」の何が良いか?という話


皆様は「出光アッシュフリー」というトラック用ディーゼルエンジンオイルをご存知でしょうか?

本日はあまり知られていないこの商品をご紹介します。1台でも軽油トラック・バスをお持ちのお客様には、お読みいただいて後悔しない話です。



「DPF」が詰まる仕組み

さて、トラックやバスを1台でもお持ちの皆様は、よくこんな警告をご覧になると思います。



これは「スス(2つは別物)を補足するDPFフィルターが詰まってますよ」というサインです。
通常、この警告が出ててしまうとドライバーは約50km以内に車両を停止させ、社内のスイッチを押してDPFフィルターを燃焼させる必要があります。 これを一般に「DPF再生」と呼びます。

主に、「スス」は軽油から発生し、「灰」はエンジンオイル(特に金属添加剤)から発生しますが、「DPF再生」で燃焼出来るのは「スス」だけで、「灰」はDPFフィルターに残り続けます。



上の写真をご覧いただくと、「灰」が残っているのがお分かりになりますでしょうか?
この灰が溜まるとDPFフィルターが詰まり、DPF再生の回数が増え、やがてDPFフィルター自体を洗浄or交換しないと走行できなくなります。



「出光アッシュフリー」とは何か?

「出光アッシュフリー」は日本の石油会社大手の出光興産が2023年に開発したディーゼルエンジンオイルで、DPFの詰まりを根本的に解決するオイルです。



~特長~

「出光アッシュフリー」とは、名前の通り灰が出ないディーゼルエンジンオイルです。
先程、「灰」はエンジンオイル(特に金属添加剤)から発生すると言いましたが、「出光アッシュフリー」は金属添加剤が入っていないため、燃えても「灰」が出ません。「灰」が出ないということは、DPFが詰まらないということです。


~「DH-2」規格との違い~

2003年に出来た「DH-2」規格は、「DH-1+金属添加剤を減らした規格」です。
よく「DH-2なので低灰分です」と謳っているオイルがありますが、そもそも「出光アッシュフリー」には金属添加剤が含まれていないので両者は全く違うオイルです。
一般的に金属添加剤が含まれていないとオイルの性能は落ちますが、「出光アッシュフリー」は金属添加剤が含まれていないにも関わらず、汎用的なオイルと同じ性能を持っている点が画期的です。


~出光以外のアッシュフリーオイルはあるか?~

灰になる金属添加剤を含まない軽油エンジンオイルは、2023年12月現在でこの「出光アッシュフリー」しか無いようです。エネオス・コスモ・シェル・モービルも作っていません。



採用するメリット

「エンジンオイルを変えるだけでメリットが出るなんて怪しい」という方もいらっしゃると思いますが、DPFが詰まらないということは多くのメリットに繋がります。



~経費削減~

DPF再生には1回約30分の「人件費」、アイドリングの倍以上と言われる「燃料消費」、トラックを動かせない「機会損失」が発生します。
「出光アッシュフリー」を採用することで、これらの無駄な費用と時間を削減できます。


~ドライバー稼働時間を増やす~

DPF再生回数が減ることで「ドライバーの稼働時間を増やし、本業の売上を伸ばす」ことが出来ます。


~CO2排出量を削減~

CO2排出量を削減することは、カーボンニュートラルに感度の高い荷主企業へのアピール材料になります。DPF再生にはアイドリングの倍以上の燃料が必要ですが、当然その回数が減れば燃料消費が少なくなります。また、DPFを交換する必要が無いと、廃棄・リサイクル時のCO2排出量を削減することが出来ます。





デメリット

考えられるデメリットも検討してみましょう。



~初期費用が高い~

「出光アッシュフリー」は、その画期的な機能がゆえに非常に高価なオイルです。初期投資はある程度必要になります。


~効果を感じにくい車種もある~

DPF再生回数に変化が少ない車種があることも確認されているため、まずは1缶買って試してみることをお勧めします。
仮に体感出来るレベルでの違いが無い場合でも、DPFに灰が残らないという客観的な事実は変わりません。長期で見ればDPF再生回数やDPF自体の交換回数は減るでしょう。


~オイルの在庫管理が必要~

自社でオイル交換されない場合は、整備工場やディーラーに指定オイルでの交換を依頼しなければならず、オイル在庫の管理が必要です(配送先に整備工場やディーラーを指定することも出来ますのでご相談ください)。



効果を試算してみます

以下は1⃣大型トラックを新車から60万km走行した場合2⃣4tトラックを10万km走行した場合のざっくりと費用を計算したものです。金額面も重要ですが、DPFフィルターのせいで「ドライバーの時間が拘束される」ことが大問題です。2024年問題に向けて私たちが出来る数少ない対策の1つと言えます。


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1⃣大型トラックを20万km走行した場合

1.オイル費用

(1)「エネオスディーゼル10W30」380円/ℓ、3万km交換推奨
(2)「出光アッシュフリー10W30」2,850円/ℓ 2.5万km交換推奨

※比較対象はエネオスの汎用オイル
※価格は2023年12月28日時点のドラム缶非会員価格で計算

(1)30万km÷3万km×30ℓ×360円=108,000円…①
(2)30万km÷2.5万km×30ℓ×1,260円=453,600円…②
  更に (1)に比べて2回分増えてしまうオイル交換工賃+人件費+預け日数…③


※生涯走行距離÷オイル交換推奨距離×オイル容量×オイル価格=オイル費用



2.DPFメンテナンス費用&機会損失

(1)2つのパターンを想定してみると…
・30万kmで1回DPF交換した場合 50万円+人件費+預け日数
・30万kmで2回DPF洗浄した場合 10万円×2回=20万円+人件費+預け日数
→平均しても30万km走行で最低35万は掛かると仮定…④

(2)なし…⑤


3.DPF手動再生費用&ドライバー拘束

・DPF自動再生回数は変わらないと仮定(実際は減ります)
・DPF手動再生に必要な燃料を約3ℓと仮定
・DPF手動再生距離を500km間隔と仮定
・出光アッシュフリー使用時のDPF手動再生回数は汎用オイル使用時の1/4と仮定
・軽油130円と仮定(2024年12月現在店頭価格150円超)

(1)30万km÷500km×3ℓ×軽油130円=234,000円…⑥
  DPF手動再生600回×30分=300時間のドライバー拘束…⑦

(2)=(1)の4分の1=58,500円…⑧
  150回×30分=75時間のドライバー拘束…⑨


結論

(1)①+④+⑥+⑦692,000円…⑪
  更に、④の人件費+預け日数、⑦の300時間のドライバー拘束

(2)②+③+⑤+⑧+⑨=512,100円…⑫
  更に、③の費用+人件費+預け日数、⑧の150時間


つまり、大型トラックで30万km走行すると180,000円+ドライバー1人150時間(約20日分)以上の費用と時間が浮く計算になります。

なお、計算の中では
・DPFメンテナンス回数と交換価格を低めに設定し
・DPF自動再生の回数に差をつけず
・DPF手動再生の距離を長めに設定して
・軽油を店頭価格から20円安く見積もって
汎用オイルに有利な条件にしています。

実際は大型トラックが30万km以上走行するのは普通ですし、30万km走行でDPFメンテナンス35万と仮定するのは安いと思われます。また、手動再生も500km以上なら良い方で、実際には100~200km程度で手動再生しているトラックが多いようです。
そう考えるとトータルのコストメリットは「出光アッシュフリー」が良いと考えられます。


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2⃣4tトラックを10万km走行した場合

1.オイル費用

(1)「エネオスディーゼル10W30」380円/ℓ、3万km交換推奨
(2)「出光アッシュフリー10W30」2,850円/ℓ 2.5万km交換推奨

※比較対象はエネオスの汎用オイル
※価格は2023年12月28日時点のドラム缶非会員価格で計算

(1)10万km÷3万km×12ℓ×360円=108,000円…①
(2)10万km÷2.5万km×12ℓ×1,260円=453,600円…②

※生涯走行距離÷オイル交換推奨距離×オイル容量×オイル価格=オイル費用



2.DPFメンテナンス費用&機会損失

(1)2つのパターンを想定してみると…
・10万kmで1回DPF交換した場合 20万円+人件費+預け日数
・10万kmで1回DPF洗浄した場合 5万円×1回=5万円+人件費+預け日数
→平均しても10万km走行で最低12万は掛かると仮定…④

(2)なし…⑤


3.DPF手動再生費用&ドライバー拘束

・DPF自動再生回数は変わらないと仮定(実際は減ります)
・DPF手動再生に必要な燃料を約2ℓと仮定
・DPF手動再生距離を500km間隔と仮定
・出光アッシュフリー使用時のDPF手動再生回数は汎用オイル使用時の1/4と仮定
・軽油140円と仮定(2024年12月現在店頭価格150円超)

(1)10万km÷500km×2ℓ×軽油140円=56,000円…⑥
  DPF手動再生200回×30分=100時間のドライバー拘束…⑦

(2)=(1)の4分の1=14,000円…⑧
  50回×30分=25時間のドライバー拘束…⑨


結論

(1)①+④+⑥+⑦284,000円…⑪
  更に、④の人件費+預け日数、⑦の100時間のドライバー拘束

(2)②+③+⑤+⑧+⑨=467,600円…⑫
  更に、③の費用+人件費+預け日数、⑧の25時間


つまり、4tトラックで10万km走行すると183,600円の費用が増えるものの、ドライバー1人75時間(約9.5日分)以上の時間が浮く計算になります。

なお、計算の中では
・DPFメンテナンス回数と交換価格を低めに設定し
・DPF自動再生の回数に差をつけず
・DPF手動再生の距離を長めに設定して
・軽油を店頭価格から10円安く見積もって
汎用オイルに有利な条件にしています。

実際には手動再生距離が500km以上なら良い方で、100~200km程度で手動再生しているトラックが多いようです。
そう考えるとトータルのコストメリットは「出光アッシュフリー」が良いと考えられます。


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まとめ

いかがでしたでしょうか。
オイル価格は高いものの、「出光アッシュフリー」は絶対に試す価値があります。

DPFフィルターの「自動再生回数」「手動再生回数」は車両によってかなりバラつきがあります。また、自動・手動再生回数は記録されていないことが多く、効果検証が難しいかもしれません。しかし、「良いエンジンオイルに変えると温度変化によるオイルの粘度変化が少なくなり燃費が良くなる」ことを既に皆様がご存知の通り、「出光アッシュフリーには金属添加剤が含まれていないため、DPFフィルターが詰まらない」という客観的事実は変わりありません。

ドライバーの確保がより一層難しくなっていく中、2024年問題を目前に今私たちが出来ることは「ドライバーの稼働時間を増やす」ことです。エンジンオイルを変えることで「DPF手動再生30分/回」の回数を減らすことが出来れば、それは一番手っ取り早い方法です。

是非「効果が出る可能性が少しでもあるなら試す」ことをお勧め致します。
実車テストされる際はご相談に乗りますので「出光アッシュフリー 実車テストのご相談の件」とお問合せくださいませ。

※なお、会員登録していただきますと、表示の価格から5%割引価格でご購入いただけます。
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